中山成彬氏は文部科学相に相応しいのか

http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/seiji/20050613/20050613a1410.html


昨日の新聞にて続報が出てましたね(毎日新聞)
webニュースに同じものが無いか探しましたが、見当たりません。
記憶を頼りに簡単に。


まず、『私の発言で(従軍慰安婦という言葉は無かった)、色々言われているが、
女性から、特に若い女性から賛同の意見を貰っている。私が色々言うと、
問題になるので、頂いたメールを読ませていただく。』との事で、彼へ届いた
らしいメールを延々7分ほど読み上げたとの事。
内容は『従軍慰安婦という言葉は、戦後作られた言葉で自虐的に過ぎる。
またこういった行為は、日本の農村では昔から見られたことであり、
戦地にある男性を安らげるというプライドを持てる仕事とも言える。』
との内容で、文科相は自らの主張を代弁させる意図で読み上げたのではないか、
と言う記事です。
記憶で書いてますので正確では有りませんが、骨子としてはこういう内容です。



正直に言って良いですか?
この人すぐにくびにして下さい。


まず「従軍慰安婦という言葉が当時無かった」と言う点は問題ありません。
これは単に「戦時中はそう呼ばれていなかった」というだけの話。
ただ「自虐的に過ぎる」と感じた時点で「自らの非を認めている」という事に
気付いていただきたい。
従軍慰安婦」は字面だけ見れば「軍に従事し、慰め安らげる女性」の事を
指しているに過ぎません。
その言葉を利用する事を「自虐的」と感じるのならば、それは「その従事した
行為に、倫理的に許されない事があった」という事を認めているのです。
まずこの点で、自身の倫理観においても無意識に罪悪感を感じている事を
認めていただきたい。



次に「日本の農村では昔から見られたこと〜」の件。
恐らくこれは、昭和初期までは農村に比較的残存していた「夜這い」の
風習を指していると考えられます。
建前上の倫理では、当時においてもおおっぴらに語られる事では無かった
かと思われますが、これだけ見ると寧ろ「当時の日本社会の倫理観は破綻
しきっていた」という話になり、従軍慰安婦問題を擁護するどころか、日本
人は紊乱な民族だ、という話になってしまいます。


大体「夜這い」の風習は、完全な不特定多数を相手にしたものじゃありません。
無理に夜這いをかけられた女性の夫が、相手の男性に仕返しをしたと言った
話も聞きます。あくまで「自由恋愛」の延長線上なのです。
単に「性」に関してとってもオープンだっただけの話です。
強制的に従事させられるのとは、全く別の問題ですね。


それから「プライドを持てる職業」の件について。
余りにも酷くて、語る気すら失せそうです。
まずこの論旨で国が慰安婦を募集したという事実はあります。
が、これは「軍国主義的な論理」に則っている時点で、現代において主張する
価値がありません。
「お国の為に戦っている兵士を安らげる事は正しい行為である」という主張と
現在の自由主義経済において性風俗に従事する人々が、己の職業に誇りを
持つ事とは全く関連しませんし、まず「戦争」ありきで得られる誇りを語る
事自体が時代錯誤も甚だしいですね。


その上強制的に従事させられた女性がいる、という事実。


従軍慰安婦」という言葉が「当時」存在したか否か、だけの問題では
既になくなっています。


これに対し「自身が発言すると面倒が起こる」と言って、他者のメールを
読み上げて自論を展開・擁護するという、稚拙な行為。


こんな人間が文部科学省の担当大臣である事に、強い危惧を感じます。
郵政なんてもうどうでも良いから、早くコイツを辞めさせて下さい。