ネコ殺しの件

作家の坂東眞砂子が18日の日経新聞で日常的に子猫を殺していると語る
(from 痛いニュースさん)

強烈なタイトルに吃驚して元記事から一読。問題提起としては有りだろう。
で、あれこれ関連する記事を読んでいて思い出した事が一つ。


以前私が住んでいたアパートの隣には小さなどぶ川があった。私の部屋は1階でどぶ川のすぐ隣だったものだから夏に沢山湧く虫に随分と悩まされていた。
ある早春の夜、1時を過ぎた頃だろうか、外から赤ん坊の泣き声の様に聞こえる声がする。以前このどぶ川沿いで青姦してる阿呆なんかも居たので「またあのカップルか」と暫く無視していたのだが、いつまで経っても声は止まない。不審に感じた私は懐中電灯を片手に外を調べてみる事にした。どうもどぶ川の中から声がしているようだ。
いた。生まれて一ヶ月程の子猫がどぶ川の中で必死に啼いていた。街中のどぶ川だから護岸(という程の物でも無いが)されている為、落ちて登れなくなっていたのだ。これはいかん、とどぶ川に降りて捕まえると、まだ肌寒い時期で泥水にまみれた所為かぶるぶると震えている。取敢えず家に連れて行きお湯で洗ってやる事にした。温めのお湯で少しずつ汚れを落としてやる間も、私に怯えているのか子猫は大きな声で啼き続ける。と、外から大人の猫の啼き声が聞こえてきた。子猫の声と呼応している。
お母さんが迎えに来たんだね。良かったね。でもしっかり乾かさないと風邪を引くから、もうちょっとの辛抱だよ。
ドライヤーとタオルで出来る限り乾かして表へ連れて出ると、階段の下へさっと隠れる猫の姿。付近まで行って子猫とはお別れ。すぐに出てきて連れて行く母猫*1


産むだけで完結する母親としての生なんて無いぞ。畜生だからすぐに忘れると思ってるかもしれない。その通りかもしれない。でも私の価値観とは相容れないな。


今現在飼っている猫に対する責任を語るのであればその猫に避妊手術を受けさせて、その責任を自分の飼い猫に対して引き受ける方が余程ましに思えるな。

*1:因みにこっそり追いかけて寝床も発見。暫く様子を覗いていたが2週間後程に件の子猫の姿が消えていた。風邪をこじらせてしまったのかもしれない。その後2匹の兄弟を連れて引っ越しちゃったみたいだった。