ブラス!


私、最近のアメリカ映画に食傷気味なんですよねぇ。
脂っこいSFアクション、こってりした味付けの恋愛ドラマ。
そして押し付けがましい正義感とか。
かといって余り重た過ぎる話を見たい気分でもなく、選択した
のがコレ。
閉鎖を検討されている炭鉱町のブラスバンドが主役です。


イギリス映画らしい作りですねぇ
ひたすら感傷的になるでもなく、カタルシスのみを追い求める
でもなく進む物語。
カタルシスは用意されていますが、出来事そのものよりも演奏に
よってその大部分を得られます。
コミュニティや信頼関係が崩壊する中、彼らを繋いだのは
言葉ではなく音楽そのもの。


登場人物の大部分の個人的問題は解決しません。
駄目な奴は駄目なまんまだし、厭味な奴も決して打ちのめされたり
謝罪したりはしません。
和解も謝罪も逆転劇もないけれども、音楽を通して見えない絆が
再び結ばれて救われる[人間劇]です。


久々にクラシックを聴きに行きたくなりましたねぇ。