日本のサッカーのレベルアップには

皆さん日本のサッカーとヨーロッパのサッカーとの、一番の違いは何だと思います?テクニック?確かに平均レベルは欧州強豪国の方がまだ多少は高いでしょう。しかし現在はそれ程遜色ないレベルまで日本も上がってきてますねぇ。逆に日本の中盤選手のテクニックは欧州でも認められています。身体能力?ん〜。アフリカ人は凄いですよねぇ。んでも平均身長が日本と余り違わないイタリアがあんなに強いのは何故?ブラジルだって体の小さい大選手が沢山いますよ〜。コーチ・監督?海外から招聘した監督がぱたぱた首になって行ってますよねぇ。数人の成功した外国人監督だけで語るのは不味いでしょう。


私はレフェリーのレベルこそが、日本と世界のトップレベルとの差を生んでいるのでは無いかと考えてますねぇ。
代表チームがアウェーで戦う時に『やけにファウルを取られるなぁ』って感じません?アレです。日本のレフェリーは「ちょっと捕まえた」程度のファウルに酷く甘いのです。この手のプレイを良く見せてくれていた、元アントラーズの本田選手を思い出してください*1。彼は後ろから両腕で抱きしめるように抱え込むプレイが代表的ですが、この手のオブストラクションに日本のレフェリーはとっても寛容ですねぇ。倒れるまで抱えてないと笛が鳴らない。他にも腕を使ったプレイに対してのジャッジングがとっても曖昧です*2
欧州各国のトップリーグの試合を見ると判るように、ヨーロッパではオブストラクションに厳しいジャッジングが下ります*3


オブストラクションに対して甘いジャッジの何が不味いかと言うと、きちんとしたディフェンスをする必要が無くなってしまう事ですねぇ。だって抱えれば良いんですから。それで動き止めちゃえば何とかなりますから。
国内リーグでこのディフェンスに慣れてしまった選手は、代表戦の舞台で何をするか。そりゃぁいつもの通りタイトなディフェンス=抱え込みをやりますわな。とピピーッと笛。ありゃ、ファウルだ、やりにくいなぁ。んじゃちょっと離して…。うぁ抜かれた〜。
攻撃側の選手にも影響があります。身体を寄せられると捕まえられちゃうので、ボールを持つと兎に角ダッシュするか、フェイントしまくって迂闊に飛び込まれないようにする。あぁ疲れた…。何て効率の悪い事してるんだ。


結局、抱え込むプレイに対して厳しいジャッジを下す事は、ディフェンス面ではボールを保持した選手との適正な距離を取る事、攻めのディフェンスに移行する瞬間をきちんと選択する事を促すと同時に、オフェンス面では無駄なトリックプレーの減少と攻撃の緩急を意識したゲーム運びを生む筈ですねぇ。またディフェンスの選手が綺麗かつしっかりしたディフェンスをする様になれば、ボールを受ける動きも変わってきますねぇ。


ジャッジに関してはそれ以外にも、スライディング時にスパイク裏を見せてるか否か、報復行為なのか等、「ちゃんと見てくれよ」と思う部分が多々有りますが、まずは綺麗なサッカーになる(見える)ようなジャッジングを行う事で、より磨かれる技術があると思うんですよねぇ。ホームとかアウェイとかゲームを作るとか考えずに、レフェリーには良いサッカーになるジャッジングをして欲しい。そしてそれは日本サッカーのレベルアップにも繋がっていると思うんですよねぇ。

*1:知らんって言う人は鈴木のプレイも似た部分があるのでこっちで

*2:ハンドの事じゃ無いですよ。因みにアルゼンチンは伝統的に腕を使ったプレイに対して割と寛容

*3:だから海外から来た選手は日本の審判にしばしば抗議する