機能的な服装ってのは『お洒落』と言う事では無いですよね

続:「オタクにオシャレな服を売る」ための発想
(from Heartlogicさん)

●機能を売る、とは
機能で売るといえば、昔はお前はどこの釣り師か従軍カメラマンか、みたいなポケットの多いベストを着たオタクがいっぱいいた気がするけど、近年は見なくなった気がする(そういえば以前、山に写真を撮りに行こうと思ってその手のベストを買ったんだけど、着た姿を鏡で見たら「これからコミケに行く人」にしか見えずブルーになった。これは単に自意識の問題だけど)。あと、無駄にでかいバッグをいつも持っているのも、機能性重視の結果ですよね。

それはともかく「通気性が高くてムレず、突然の雨を防ぐ機能もあり、ポケットが大きく、金が取り出しやすく、地図が取り出しやすく、スリに遭いにくく、紫外線対策もバッチリ。しかも長時間並んでも疲れません」みたいな服があったら夏コミ用の服として売れるかもしれない。が、「じゃあ買おう」ということになるのか、よく分からない。ド直球にオタク狙いが見え見えなものを買う人たちではないと思うので、なんかアウトドア用とかスポーツ用ですよ、という偽装が要りそうな気がする。

この部分を読んでて思い出したんです。
私の友人に自他共に認めるオタクがいるんですが、彼はツールとしての服飾にもオタク的な興味を持ってるんですね。で、彼は自らの要求を満たす機能的で高品質かつ高価なアウトドアブランドのコートなども買うのです。コーディネート次第では色々な場面で使えそうな、そりゃぁ立派な奴を。でもですね、足元はというと矢張り彼のコダワリの詰まった、エア・ジョーダンだったりするのです。もうね、オシャレ的には台無しですよ。あんまり詳しくない私が見てもへんちくりんな組み合わせだと判りますから。
ですから機能的に優れていてファッション性に配慮したアイテムを、オタク向けに販売したとしても、決してそれでオタクがオシャレになる訳では無いですねぇ。モテを志向する「オシャレ」、マナーを志向する「身だしなみ」何れの場合も、それぞれのコードに合わせた組み合わせでしか意味を成しませんからねぇ。その点でMasaoさんの提示した"マネキン買い"ってのはやっぱりナイスアイデアだなぁ、と。



余談ですが普段からバイクでの移動が多い私は、昔から服装では機能性を最も重視します。その結果増えてしまったミリタリーウェアを、何かテーマを持って着ようと試行錯誤した時期がありまして、ある日のテーマは『ディア・ハンターに出てくるような、ベトナム帰りの米兵』でした。ヴィンテージ・デニムに編上げのブーツ、ウールシャツにニットキャップで、ガワは払い下げのN3-Bといういでたち。
友人との待ち合わせで向かった埠頭にて、一人のホームレスと擦れ違いました。えぇ、彼の格好と寸分違わぬほど被ってました。将に何から何まで一緒と言っても良い位。擦れ違った後一人で大笑いしましたよ。ファッションなんてそんなもんな気がしますねぇ。