中田英寿引退を発表

残念としか言い様がありません…。ジダンが、限界を囁かれる中決勝トーナメントで良いプレイを見せてくれた事で「中田もひょっとして次回大会行けるんじゃないか?」なんて思ってた矢先ですから尚更です。


思えば中田選手は力をつけて行く日本サッカーの象徴でした。ユース時代から世界大会を経験し*1、海外移籍後の実績、知名度も他の選手とは比較できません。
とは言え私は彼のサクセスストーリーではなく、無駄を削ぎ落としたシンプルなプレースタイルが大好きでした。一部では「誰も居ない所に出すキラーパス」なんて揶揄されてましたが、そんなもんはフランス大会の予選の頃から言われてました。それも日本サッカー協会から。彼は「通ったら大チャンスになる所」にパスを出すのです。受け手が気付いていなければ誰も居ない所に転がるのは当然です。しかし「誰も居ない」と言う事は即ち敵のDFも気付いていない所なんですよね。彼と同レベルの視野を持つFWが同時代に存在しなかった事が残念でなりません。
攻撃だけでは無く、試合の流れに応じてDFに力を注ぐ時間を見極めるセンスや、カウンターに行った方が良いのかボールを保持した方が良いのかという判断、全てに於いて他の日本人選手を上回っていました。ドイツW杯の舞台でそれが更にはっきりと感じられました。彼がこの10数年日本代表の大黒柱であった事に疑いはありません。彼の知識、経験は次の世代にも必要だと考えるからこそ、このタイミングでの引退は早すぎる…。


実はLAに住んでいる友人が、数年前中田選手と会った事があります。たまたまアメリカに立ち寄り、トランジションの間にLAを案内して欲しいという話だったそうです。半日を共に過ごした友人曰く「私はサッカー良く知らないけど、とても気さくでユーモアがあり話題も豊富。頭の回転が早い人だと思った」との事でした*2。スポーツ選手がビジネスに手を出すのには首を傾げる事が少なくはありませんが、彼なら上手くやっていくのかもしれません。


でも、いつでもサッカーの世界に帰って来てね。

*1:彼が加わった代表チームで本戦へ出場できなかったものは無い!!

*2:私の応答は「何でサインを貰ってくれなかったんだ!!」