事件報道で思う事

最近立て続けに起きた少年少女による事件と、所謂「オタク」の人によって起こされた事件。少年少女においても「オタク」的な側面を強調して報道されている事が多いですね。なんとも言い様の無いやるせなさを感じます。何なんだ?オタクは気味の悪い犯罪者予備軍って事にしたいのか?
広島小1女児殺人事件にしても「フィギュア萌え族」とか言い出してるし。十把一絡げにしない!そこ!え?フィギュアにイレ込む人はそれを現実の人間に投影して無茶しちゃうの?あぁぁぁぁほぉぉぉかぁぁぁ!!!じゃぁ何だ?ミ○キーマウスが好きな人はネズミを虐待してるのか?クマのプーさ○が好きな人はクマをパッケージングするのか?あ?どっちもディフォルメしてある?萌えフィギュアだってリアルとは程遠くディフォルメしてあるだろうがよ!!んな事言ったらフランス人形や彫刻の方が余程危ない趣味じゃねぇかよ!!
大体だな、他のケースでも殺人事件とか起きると犯人の私的な領域を分析して、諸々の積み重ねがその事件に至らせたっていう報道が罷り通ってるが、逆なの逆!!犯人が不明な場合に、残された痕跡等から犯人の輪郭を掴む事をするのがプロファイルなの。この事件でそれをやるなら、殺害後に遺体をダンボールに入れるという非常に即物的な扱いをする側面と、ランドセルはゴミ袋に入れて収拾所に出すというそれなりに隠蔽しようとする行動を取っている事でしょ。「即物的に扱う→フィギュアとして扱う」では無くて、生命に対して即物的な感慨しか持た無い人格と捉えるべきでしょうよ。ランドセルの件も併せると、それなりの隠蔽は行うが徹底はしないという面から、社会的感覚の不足も言えるかも知れませんけどね。よしんば犯人が「フィギュア萌え族」(あぁいらいらする)だったとして、フィギュアに萌えたから生命を即物的に扱った訳では無く、元々何らかの原因でその様な傾向を強く持ち、結果的に無機物に興味が向かったと考えた方が自然でしょうよ。それに生命に対する即物的な傾向を持っている人がいたとして、皆が皆同じきっかけで犯罪を犯すわけじゃありません。犯人像を絞り込む為とか言われますけどね、非常に慎重にやらなきゃいけない内容です。
その辺り端折って『犯人は「フィギュア萌え族」』とか言っちゃうと蔑視に繋がる事請け合い。充分に説明しても蔑視される危険性が高いっていうのに、こんな事をほいほい口にしちゃう人間がTVで御説垂れ流すなんてたまらん世の中ですな。


事件報道でいつも気になるのが、殊更犯人の異常性を取り上げるやり方なんですよね。やれこの人にはこういう趣味があったとかこういう性格だったとか。何とか共感出来ない部分を見つけ出して、『この人は異常だからこのような犯罪を犯したのだ』とでも把握したいのでしょうか。オタクの内何人が犯罪を犯す?DQNの犯罪率は?在日外国人は?借金で首が廻らなくなった人の内どの程度が事件を起こすんだ?必死こいて返済している人がいる一方で殺人を犯している人がいるのに、何故世間は『借金持ちは異常で犯罪者予備軍』とは考えないんだ?借金は理解できて萌えは判んないからでしょ?
先日来話題になってるこんな恣意的な報道が行われ強い影響を残した挙句、共感能力の話も悪用されて『共感出来ない行為をする人間は脳に器質的な問題がある』といった風潮に繋がるんじゃないか、なんて事まで考えちゃいますねぇ。いつの時代も優生論なんてそんなものですからね。どこから根拠を引っ張ってくるか判ったもんじゃありません。


一応言っておきますがね。私はフィギュアには全く萌えません。ぜんっぜん興味が無い。しかしこれらの事件を『フィギュア萌え族』だとか『オタク』の犯行だという側面を、強く前面に出すマスコミの姿勢には怖気がします。お前ら頭おかしいぞ。