"待ち組"が流行るようだとお仕舞いだね

先日小泉さんと猪口さんが口にして以来あちこちで色んな論評が起きてるようですねぇ。まぁ確かにこの言葉で示されているような一群も存在するでしょうが、何でもかんでも"待ち組"って事になるとちょっと嫌だなぁ。NEETよりも更に悪い意味ですよね、これ。
んで若年層の非正規雇用者発生の流れを考えてみました。片手間なんですんごい適当ですが。



・30代前半
就職直前までバブル経済を見ている為、取敢えずフリーターなんてしながら希望の職種につけるのを期待した人が多い世代。元祖"パラサイトシングル"か。職業訓練が進まないまま中堅年代に入っており、資格の有無を問わず今後も正規雇用にには困難が付きまといそう。


・20代後半
バブル破裂後景気回復の兆しが見えない中で学生生活を送り、就職の為に積極的に資格等を取得した世代*1。 が、結局採用試験は「コミュニケーションスキル」を見るばかりで、就職後も資格を生かす機会など殆ど無いため職場に失望し早々に退職。場合によってひきこもりになるケースもあるか。


・20代前半
言葉に先行して「勝ち組・負け組み」の概念を持っている世代。先の2世代を見ているので、既に「勝ち・負け」を自明のものとしている人が多い。勝ち組は更に高慢に、負け組みは更に卑屈になって行く。



ものすごくざっくり言って、言われているような"待ち組"ってのは、いたとして30前半位じゃなかろうか*2。 この世代は団塊ジュニアで、就職活動における競争率もかなりのものでしたからねぇ。希望職種につけなかった人間が相対的に多くなっちゃうので目立つだけなんではないかと。
本来は、散々あちこちで言われている様に、これらの非正規雇用者は企業が「経営効率改善」を謳って進めた派遣社員制度に絡め取られてしまっている、という事が問題の筈ですよねぇ。


"待ち組"で言われている内容ってのは、とどのつまり「選ばなきゃ仕事(正規雇用)あるでしょ?」と言う事で、これはある意味正しい。だって実際にあるもの、超激務で超薄給なら。ただそれなら派遣社員をしていた方が、将来はどうあれ現在の生活は安定する訳です。ましてや年金の受給水準が下がるのは判ってるから、所得をがっちり補足される上に収入の減る正規雇用には移りたくない。おまけに将来不安があるので子供は作り難い。年金と少子化の2大福祉テーマですな。政府が"待ち組"と悪意のあるネーミングをもって正規雇用を勧めるのは、これらの問題の解決を非正規雇用者自身に負担させようとするものとしか思えないんですよねぇ。
大体企業の側でも困る部分がある筈ですよねぇ。これから大量定年を迎えて技術・知識継承が不安視されているにも関わらず、派遣労働の比率がこんなに高い水準にあってどうするんだ、と。その辺を国が率先してバランスとって行くのが本来の福祉政策じゃないのか、と思うんですけどねぇ。なんだかなぁ。

*1:結果的に上手い事搾取されたとも取れる

*2:単純に分布域にそういう偏りがあるんじゃなかろうか、という話